シェア・ジャパン出版
書評


アメリカで最も独立した新刊書の書評誌
『The Book Reader』より


「実在の形への雄弁で面白い探検」

 ベンジャミン・クレーム、世界的な善意の計画の中心。報酬を求めず、己の霊的地位に対する主張も何らしない。伝導瞑想の専門家。それを行うグループは、人類のために有益なエネルギーの貯蔵を供給するために覚者から送られてくるエネルギーを変換し降下させるセンターとして機能する。コリン・ウィルソンはこう評している。*「クレームはブレイクやブラバツキー、そしてアリス・ベイリーと同じグループに属する人のように思われる。他の人には見えないものを見通し、そのすべてについて語ってくれる」。たちまち、細切れにせずに、はっきりと、そして情熱的な面白さで。
(*April,1980“Books and Bookman”)

 「霊への進化帰還の過程において、われわれは最初の転生経験から最後の転生まで次々と自らの体を霊化して、ついにはわれわれを完成した覚者にする復活の体験へと導いていく。そのようにしてわれわれはこの惑星を霊化するのである」。以上はベンジャミン・クレームによる『伝導瞑想―21世紀のヨガ』から引用。この書は伝導瞑想の手引き書であり、ほとんどが質疑応答形式になっていて、ニューエイジ用語や思想にあふれたこの時代には最も使いやすい形態である。クレームは、今では80歳に近い年齢であるが、最初の霊的接触を受けたのは40年前のことであった。講演や、テレビ・ラジオの出演で世界中を広く回っており、電子的な存在であることは間違いない。
 大祈願には正しい唱え方があるのだろうか? 「それは非常に強力なマントラなので、完全に唱えても、半ば不完全に唱えても、まずい唱え方であっても、エネルギーを喚起せずにはおかないのです」。頭頂のもやもやする感じは何ですか? 「99%の確率でそれは自分自身の魂のエネルギーです」。伝導瞑想は他の瞑想形態よりも強力ですか? 「はい。伝導瞑想では、瞑想は魂のレベルで起こります。しかもそれはグループではなく、覚者方のコントロール下にあります」。想像と真の内的認識との違いは何ですか? 「ほとんどの人はアストラル界に意識の焦点があります。彼らの認識は感情的、アストラル的です。それが想像です。直観は直接的認識です。つまり知っているから知っているのです。それはブッディのレベルから来ます。そしてそれはいつでも正しいのです」。真の霊的教師の特質である無限の忍耐を持った賢人から与えられるとき、知識の断片は非常に分かり易いものである。

 ベンジャミン・クレーム著『マイトレーヤの使命第3巻』は、およそ700頁にも及ぶ分厚い本で、世界教師マイトレーヤとその弟子たちである覚者方の使命を明らかにするシリーズの最新の書である。ここでも消化しやすい質疑応答形式で扱われている。人類の未来は明るい。平和、分ち合い、節約、意識の拡大。そう、それに美について。想像できる限りのすべて―実際に直観できるもののすべて―が、この書にある。錯覚、実在(リアリティー)、天使の意味、ディーバ、10人の巨匠の霊的考察、地震、教育、耳鳴り、健康的食事、木星の住人、霊的インタビュー、進化の段階、『過去の宝を統合し、未来の驚異を鼓舞する』。巻末には、イニシエートのリストとその進化の段階。そして非常に使いやすい完全な用語集。クレームは一貫性を持ち、認識力があり、見えないものの証拠を信じる。
 「われわれは霊的存在です。文字通り神々です。その神々は、魂の界において人間の魂として己を反映します。魂はその神性と物質界における肉体人間の間の仲介としてはたらきます」  実在の形への雄弁で面白い探検である。

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