■ 石川道子 編 ■ 発刊日:1996年9月15日(初版) ■ 体裁:B6判/320頁 ■ 定価:1456円+税+送料 ■ ISBNコード:4-916108-04-3 |
本書は、聖書に不思議に欠けているイエスの時代の政治的社会的背景や、イエス自身の生涯に関する謎を解く貴重な文献として死海文書を検討する。他に「クリシュナムルティの道なき旅」「クリシュナムルティとマイトレーヤの教え」「不朽の智恵の教え」「恐怖心の克服」などを網羅。 |
序文 / 死海文書と義の教師(ベティ・ストックバウワー) / 不朽の智恵の教え(ベンジャミン・クレーム) / 用語集 / クリシュナムルティと道なき旅(ベティ・ストックバウワー) / クリシュナムルティとマイトレーヤの教え(ベティー・ストックバウワー) / シークレット・ドクトリンは如何にして書かれたか(ジェラルド・アートセンによる抜粋) / 恐怖心の克服(ベンジャミン・クレーム) / 編者あとがき / ベンジャミン・クレームによる著書 / 参考文献 他 |
1947年に『死海文書』と呼ばれている一連の巻子本(巻物)が死海付近の洞窟で発見され、それが西暦紀元前後の数百年にまたがる古文書であることが分かったとき、世界は、特に西洋キリスト教社会は沸き立った。 世界的な研究者のチームによって解読が続けられていたが、最近、これらの文書の一部が一般に公開されたのをきっかけに、多くの解説書的な本が出版され、日本でも静かなブームになっているが、その質も主張も様々である。 ベティ・ストックバウワーによる『死海文書と義の教師』の論文は不朽の智恵の教えの伝統に基づいて、ヘレナ・ブラヴァツキー、アリス・ベイリー、ベンジャミン・クレームの三人の秘教徒の著作を参照しつつ、イエスの使命についてより鮮明な光を投射し、キリスト教の教会では滅多に取り上げられない疑問に答える。聖書に不思議に欠けているイエスの時代の政治的社会的背景や彼自身の生涯に関する謎を解く貴重な文書として死海文書を検討する真面目な論文である。 ベンジャミン・クレームによる『不朽の智恵の教え』は秘教の基本的教義の概観を示すものであり、インタビューによる質疑応答形式で分かりやすい入門書である。不朽の智恵の教え(秘教)が西洋においてはじめて一般に紹介されたのは1875年頃であり、ブラヴァツキーの『シークレット・ドクトリン(秘密の教義)』や『顕されたイシス』の出版を通してであった。 (中略)クリシュナムルティは20世紀における最も影響力のある霊的教師の一人である。世界大師マイトレーヤの来られる時の器(媒体)として奉仕する弟子の一人として少年時代からマイトレーヤのオーバーシャドウを通して徐々に準備されていたが、マイトレーヤ御自身が降臨することを決定されたとき、彼は教育の活動に専念して「人間を完全にかつ無条件に自由にする」ための教えを説いた。クリシュナムルティの教えはマイトレーヤの教えであるとも言われている。 死海文書の背景にも見られるように、真理が初めて明らかにされ、世に紹介されるときには、いつの時代にも様々な妨害と多くの困難が付きまとうものであり、徐々に人間の意識が真理を識別できるようになるまで信と勇気ある少数の者たちによって忍耐強く守り続けられる。『シークレット・ドクトリンは如何にして書かれたか』の論文を通して、われわれはその一例を垣間見ることができる。 『恐怖心の克服』はクリシュナムルティやアリス・ベイリー(ジュワル・クール覚者)やマイトレーヤの教えを背景に、ベンジャミン・クレーム自身の師である覚者のインスピレーションのもとに伝えられた講話と質疑応答を編集したものであり、非常に深いユニークな教えである。われわれの進化を妨げる最も大きな障害は恐怖心であり、これまでにも世界中の様々な霊的教師がこのテーマを扱ってきている。 (以下略) |